【CoD: BOCW】リーグプレイのすゝめ
前書き
現在最新作 Black Ops Cold War の「リーグプレイ」をメインで楽しんでいるCoD民は日本にどれくらいいるのだろうか?
リーグプレイは通常のマルチプレイヤーモードとは違い,esports の片鱗に手軽に触れられる素晴らしいゲームモードだ.
なのにも関わらず,どうにも人口が異常に少ないように思える.マッチングは異様に長いし,海外部屋に放り込まれるケースも多い.
Youtube の BOCW に関する動画のコメント欄では,公開マッチで猛威を振るっているタクティカルライフル,ライトマシンガン,ショットガンなどのナーフを求める民が蔓延っているのが散見される.
そういう人々は自らが忌み嫌っている武器種が公式ルールとして禁止されているゲームモードがあることを知らないのだろうか.それとも知っているのにリーグプレイに何らかの偏見があってプレイに踏み切れないのだろうか.
この記事はそういう人たちに向けてリーグプレイの素晴らしさを説き,リーグプレイの人口を増やすことを目的としている.
また,リーグプレイを通じて「Call of Duty League」という世界最高峰のプロリーグに興味を持つ人が出てくればなお良い.
リーグプレイの概要
リーグプレイは通常のマルチプレイヤーモードとは大きく異なり,ルールは esports 公式大会に準ずる.ここでは目立った仕様を紹介する.
① 4 vs 4
通常のマルチプレイヤーモードが 6 vs 6 のモードが多いのに対して,リーグプレイは 4 vs 4 となっている.
チームの人数が減ることでプレイヤー1人ひとりにかかる責任はより重くなる.
自身のキル・デスが試合の勝敗に直結する緊張感は通常マルチでは味わえない.
② HARDPOINT,CONTROL,SEARCH & DESTROY のみ
リーグプレイでは上記の3つのゲームルールのみで試合が行われる.
この3種類は競技性が非常に高く,実際に esports として採用されているのもこの3ルールである.
また,以下のマップのみが使用される.
- HARDPOINT:CHECKMATE,GARRISON,MOSCOW,RAID,APOCALYPSE
- CONTROL:CHECKMATE,GARISSON,RAID
- S & D:MOSCOW,RAID,MIAMI,EXPRESS,STANDOFF
③ 武器,アタッチメント,装備,PERK に制限有り
リーグプレイでは試合の競技性を保つために多くの禁止制限が存在する.使用できないロードアウトは以下の通り.
- 武器:TR,LMG,SG,ランチャー,特殊
- アタッチメント:サプレッサー,ダメージアップ系バレル,ステディエイムレーザー以外のボディ,ハンドガンのデュアルストック
- 装備:スティムショット,デコイ,モロトフ,C4,トマホーク
- PERK:パラノイア,フォワードインテル,トラッカー,ガンホー,ゴースト
- フィールドアップグレード:センサーマイン,フィールドマイク,ガスマイン,ジャマー
- ワイルドカード:デンジャークロース
④ スコアストリーク制限
スコアストリークは「砲撃」「巡航ミサイル」の2つで固定されていて編集できない.
また,ストリークが貯まりきる前にデスしてしまうと貯まっていたスコアはリセットされる.
一度貯まってしまえば,デスした後も使用可能である.
スコア的には7キルストリークで砲撃,8キルストリークで巡航ミサイルが使用可能になる.
⑤ ラダー,スキルランクの仕様
プレイヤーはラダーと呼ばれる50人1組のグループに割り当てられ,その中でラダーポイントを競い合う.
試合に勝利するとラダーポイントを獲得し,敗北すると失う.
ラダー終了時に保持しているポイント数の順位によって,獲得する経験値が変わる.
宝石のような形をしたアイコンで経験値は表現されており,一定数たまるとレベルアップする.(しかし,レベルアップしても特に何も起こらないのであまり意味はない.)
ラダーは3日ごとに再び振り分けられ,ラダーリセット後の1マッチでスキルランクが決まる.
スキルレーティングにおいて上位50%以上に入るとアイコンに宝石のマークがつく.
その上位50%の中でも4つのランクに分かれており,宝石の色が変わる.
何をもとにスキルレーティングが行われているかは非常に曖昧である.
自分もエリート,エキスパート,アドバンスの間を行ったり来たりしており,このスキルランクもそこまで意識する必要はないのではないかと思う.
ただ,マスターに関しては例外であり,現プロ・元プロ・アマ等 e-sports の経験のある人かそれに匹敵する猛者のみが到達可能なランク帯である.
また,宝石がない下位50%のコンペティターのランクは通常マルチの公開マッチレベルのプレイヤーが集まっているランク帯なので,もしコンペティターになってしまった方はプロのプレイ動画などを参考に練習して,一刻も早く脱出すべきである.
同ランク帯のプレイヤーとマッチングしやすい傾向はあるが,普通に他のランク帯のプレイヤーともマッチする.
リーグプレイの目立った仕様はこんなところである.
リーグプレイの良いところ
以上の仕様から,リーグプレイが優れている点を挙げる.
① 競技性・技能水準の高さ
リーグプレイは esports のルールにのっとっていることから,競技性の高さが確保されている.それに応じて,プレイヤーの質も高いように思える.
武器種の制限があるため撃ち合いは公平に近いし,スティムショットが使えないため慎重な立ち回りが要求される.
リーグプレイで勝つためには,マップへの理解,味方との連携,細やかなテクニック,的確な操作などが求められる.
そのため,リーグプレイ自体がプレイヤーのスキル向上に貢献しており,そうして成長した上手いプレイヤーがリーグプレイの質を上げている.
自分自身,リーグプレイを始める前と後では実力に大きな差があるのがよくわかる.
② プロシーンへの関心につながる
リーグプレイで勝てるようになりたければ,同様のルールでプレイしているトッププロ達の試合を見て勉強するのが最も良い.
プロの立ち回りから学べることは非常に多い.
特に世界最高峰のリーグである Call of Duty League を見ることをお勧めする.
英語ではあるが公式 Youtube チャンネルでいくらでもプロの試合を観戦可能である.
プロシーンへの関心が高まることはプレイヤーの質の向上にもつながり,日本では知名度の低い esports というジャンルの発展にも寄与する.
リーグプレイの悪いところ
とはいえリーグプレイにも褒め難い点は存在する.
① マッチングの遅さ
もともとスキルランクをある程度考慮しながらのマッチングである上に人口が少ないため,マッチングには通常のマルチの数倍の時間がかかる.
正直言ってこれは仕方がないと言える.
※最近はやや改善されてきた感覚がある.
② ping値の高さ
人口の少なさは時にping値の高さにつながる.
国内でマッチングしなければ海外のプレイヤーとマッチングする.
その場合,ロビーがどちらの国にあるサーバーのものかという試合の内容以前の段階で有利不利が生じる.
ping値は遅延を表す値であり,この値が大きければ大きいほど画面に表示されている世界は実際より遅れたものとなるため,弾が当たらない・高確率で撃ち負けるなどの現象が発生する.
※基本的に夜10時から深夜にかけての時間帯以外ではアジア鯖でマッチングすることは滅多になく,海外鯖で150msくらいのpingで戦うことになる.(アジア鯖だと10~15ms)
③ 途中抜けによる影響が大きい
リーグプレイでは途中抜けしたプレイヤーの枠は埋め直されない.
マナーの悪いプレイヤーが途中抜けしたり,回線の影響で落ちてしまったプレイヤーがいたりすると,残りの試合は 3 vs 4 という圧倒的不利の状態で進み,大方敗北する.
リスポーンの無い S & D ならまだ立て直しが可能だが,他の2つのルールでは大概敗北を意味する.
とはいえ,途中参加を許してしまうとゲームとしての質が下がるので,中々難しい問題ではある.
※最近のアップデートで試合開始直後に途中抜けが発生した場合,試合が強制的にキャンセルされる仕様になった.よい改善である.
④ 手軽ではあるが気軽ではない
前書きで「リーグプレイは esports の片鱗に手軽に触れられる」と記したが,これは気軽という言葉には変換できない.
公開マッチの NUKETOWN のようにとりあえずの暇つぶしとして気軽にやってよいゲームモードではないことは今までの説明からわかるだろう.
リーグプレイをするからにはあくまでも勝利を求め,真剣にプレイする必要がある.それがマナーだからだ.
必要ならばゲーム環境や使用するデバイスを整えることも重要である.
そして,この気軽にプレイできないという点が人口が増えない要因の1つであることは否めない.
しかしこれはゲームモードとしての性質上仕方のないことであるし,民度が低くなるよりはマシである.
以上が現状のリーグプレイで発生している問題である.①と②のような問題は人口の増加で解消可能である.
リーグプレイを始める上での注意点
ここまでこの記事を読み進めた人は恐らく,リーグプレイに興味を持ってくれた非常に見込みのある人だろうが,始める上で少し知っておくべきことがある.
Gentleman's Agreements (GA)について
esports としての CoD に精通している人なら知っているものの1つに GA がある.
これは海外のトッププロが協議によって独自に定めた非公式の禁止制限ルールである.
例えば AR の「AK-47」は AR の中では頭1つ抜けた性能をしているため,プロシーンでは禁止されている.
最近では同じく AR の「XM4」が禁止されたことで過剰な制限ではないかとトッププロの間でも物議を醸した.
GAとして定められている制限はかなり多いが,プロ自体は公式のルールで非公式のルールをリストアップすることが禁止されているため,GA の正確な内容は SNS などで情報を集めるしかない状況である.
そんな GA だが,リーグプレイをプレイしている者の中には自分のようにプロシーンに少なからず影響を受けている者がおり,そういうプレイヤーはプロと同様の環境で試合を楽しみたいと考えるため,リーグプレイにおいても GA に従っているケースがある.
当然ながらリーグプレイにおいて GA に従わなければいけない決まりなどないし,この記事を読んでいる人にそれを強制する気もないが,少なからずそういうプレイヤーがいることは覚えておいた方がいいだろう.
かくいう自分もその1人であり,GA 対象の武器を使ったプレイヤーに撃ち負けると,本来は勝てていたかもしれないとほんの少しやるせない気持ちになる.
ここで,参考までに3/15時点での GA リストをまとめる.
- XM4(AR)
- AK-47(AR)
- KSP 45(SMG)
- 1911(Pistol)
- Magnum(Pistol)
- SR 全て
- シーズン追加武器全て(LC10等)
- サーマルサイト
- AR におけるアイアンサイト
- ボディアタッチメント
- AK-74u(SMG)のマガジン
- パークグリード(ワイルドカード)
- ロウブレーカーをつけてのメイン武器2丁持ち
- アサシン(PERK)
- ギアヘッド(PERK)
- フラググレネード(リーサル)
- スタングレネード(タクティカル)
- スモークグレネード(タクティカル)
- トロフィーシステムはチーム内で3つまで
- 自動ダッシュ(操作設定)
恐らく現在も内容にほぼ変化はないだろう.
GA を踏まえた結果,現在プロシーンでは次の 2パターンのロードアウトに事実上限定されている.
SMG の場合,
- メイン:AK-74u
- サブ:Diamatti
- タクティカル:フラッシュ
- リーサル:セムテックス
- フィールドアップグレード:トロフィーシステム
- パーク:フラックジャケット・タクティカルマスク or エンジニア・ニンジャ
- ワイルドカード:ロウブレーカー
AR の場合,
- メイン:Krig 6
- サブ:Diamatti
- タクティカル:フラッシュ
- リーサル:セムテックス
- フィールドアップグレード:トロフィーシステム
- パーク:フラックジャケット・リストック・ニンジャ
- ワイルドカード:ガンファイター
ちなみに武器のアタッチメントは AK-74u の場合,
Krig 6 の場合,
- サイト:マイクロフレックス or ミルストップリフレックス
- マズル:インファントリーコンペンセーター
- バレル:レンジャー
- アンダーバレル:フィールドエージェントグリップ
- マガジン:40ラウンド
- ハンドル:エアボーン弾性ラップ
- ストック:レイダーストック
Diamatti の場合,
- マズル:マズルブレーキ or コンペンセーター
- バレル:クロムバレル
- マガジン:24ラウンド
- ハンドル:エアボーン弾性ラップ
となっている.
プロ達と同じロードアウトを使用したいならこれを参考にするとよい.
終わりに
ここまでこの記事を読んでいる人は恐らくリーグプレイを早く始めたくて仕方がないといった状況であることは容易に推測できるので手短にまとめよう.
今回は最近落ち目になってきている BOCW でも唯一素晴らしいと感じるリーグプレイに関する話をした.
全ての作品でリーグプレイが実装されてきたわけではないため,少しでも興味を持った人は是非一度リーグプレイに触ってほしい.